【香港のミシュラングルメ】中環の「沾仔記」で海老ワンタン麺を実食


香港セントラルのミシュラン店「沾仔記」 の海老ワンタン麺

こんちわ。シンガポール在住のサラリーマン、けんたです。シンガポールのホーカーからバンコクの屋台まで、アジア各国へ出張に出かけては、その合間にローカルフードを食べ歩いています。今回の舞台は香港。中環(セントラル)で狙ったのは、ミシュラン・ビブグルマン掲載店の沾仔記(Tsim Chai Kee/チムチャイキー)です。

名物は、大ぶりの海老ワンタンを豪快にのせた香港式ワンタン麺。高層ビルとブランド店が集まる中環で、40香港ドルからミシュラン掲載店の一杯を食べられます。

ただし、店へ着く直前にひとつ注意があります。近くに白地へ赤文字で店名を掲げた別の麺店があり、私は最初にそちらへ入ってしまいました。しかも、表から見ると文字が「記子筷」の順に並んでいます。

今回は沾仔記のミシュラン掲載歴、行き方、人気メニュー、海老ワンタン麺の味に加えて、この紛らわしい別店舗との見分け方までまとめます。

香港中環のワンタン麺店・沾仔記の黒と金の看板と店頭の行列
威靈頓街に面した沾仔記。黒地に金文字の看板と、店頭で順番を待つ人の列が目印です。
もくじ

香港・中環の沾仔記とは?ビブグルマン常連のワンタン麺専門店

沾仔記は、香港島の中環にあるワンタン麺の老舗です。始まりは1950年代の屋台。やがて中環に店舗を構え、現在は威靈頓街(Wellington Street)で昼どきの行列を作っています。

この店を有名にしたのが、手頃な値段と大ぶりな具です。香港の昔ながらのワンタン麺は、小ぶりな丼へ細麺と小さなワンタンを収める店も多いのですが、沾仔記のワンタンは見るからに大きい。中には海老と豚肉の餡がぎっしり詰まっています。

2009年からミシュランに選ばれ続ける理由

沾仔記は、香港・マカオ版ミシュランガイドが始まった2009年版から、長年にわたってビブグルマンに名を連ねてきました。2025年版に続き、ミシュランガイド香港・マカオ2026でもビブグルマンに選ばれています。

ビブグルマンはミシュランの星とは別の評価です。豪華な内装や高価なコースではなく、価格に対して質の高い料理を提供する店が選ばれます。沾仔記の場合は、40香港ドルから食べられる麺、弾力のある具、味わいのあるスープ。この一杯に評価の理由が詰まっています。

ミシュラン公式も、弾力のある麺と風味豊かなスープ、海老と豚肉をたっぷり包んだワンタン、鯪魚球、牛肉を店の特徴として挙げています。派手な創作料理ではありません。毎日食べられる香港の麺を、長く安定して出し続けてきた店です。

沾仔記の店頭に並ぶ歴代ミシュランガイド香港・マカオの掲載証
窓一面に並ぶ歴代ミシュランガイド。長年掲載されてきた歩みが、店先にそのまま残っています。

現在の掲載状況は、ミシュランガイド公式の沾仔記ページで確認できます。

沾仔記への行き方|中環駅D2出口から坂を上って約5分

沾仔記の住所は中環威靈頓街98號。最寄りはMTR中環駅で、D2出口から徒歩約5分です。

D2出口から皇后大道中(Queen’s Road Central)を西へ進み、坂を上って威靈頓街へ入ります。中環の街は立体的で、一本違う道へ出ると現在地が分かりにくくなります。地図では店名だけでなく、最後に「98 Wellington Street」まで確認するのが確実です。

正しい店舗は、黒地に金色で「沾仔記」と書かれた看板が目印。店頭には赤いミシュランガイドの掲示が何枚も並んでいます。

沾仔記の基本情報
店名沾仔記(Tsim Chai Kee/チムチャイキー)
住所98 Wellington Street, Central, Hong Kong
電話番号+852 2850 6471
アクセスMTR中環駅D2出口から徒歩約5分
営業時間11:00~21:30
定休日なし
所要時間30分程度
予算40~80香港ドル
ミシュラン香港・マカオ2026 ビブグルマン

沾仔記のメニューと値段|人気の海老ワンタン麺は40香港ドル

沾仔記の具は、次の3種類に絞られています。

  • 鮮蝦雲吞:海老と豚肉を包んだ大ぶりのワンタン
  • 鮮鯪魚球:弾力の強い鯪魚のつみれ
  • 鮮牛肉:やわらかく仕上げた薄切り牛肉

2種類を組み合わせた双拼、3種類全部をのせた「至尊三寶」もあります。ただ、初めて訪れるならKing Prawn Wonton Noodle、つまり海老ワンタン麺で決まりです。

全部入りは華やかですが、沾仔記の中心はあくまでワンタン。海老の食感、薄い皮、スープ、細麺の組み合わせを一番まっすぐ味わえるのが海老ワンタン麺です。

メニュー内容値段
King Prawn Wonton Noodle海老ワンタン麺40香港ドル
Fresh Minced Fish Ball Noodle鯪魚のつみれ麺40香港ドル
Fresh Sliced Beef Noodle薄切り牛肉麺40香港ドル
Two-topping Noodle具を2種類選択47香港ドル
Three-topping Noodle3種類全部入り52香港ドル
沾仔記の英語メニューと40香港ドルの海老ワンタン麺の注文票
卓上の英語メニュー。右の注文票には、海老ワンタン麺の値段「40」が手書きされています。

汁なしのオイスターソース麺もあり、具1種類は50香港ドル、2種類は57香港ドル、3種類は62香港ドル。麺は黄色い細麺、平たい米麺、ビーフンから選べます。

沾仔記の海老ワンタン麺を実食|大粒ワンタンが主役の一杯

店へ入ると、小さなテーブルがぎゅっと並び、客が食べ終わるたびに次の客が入ってきます。混雑時は相席。香港の人気麺店らしく、ゆっくり会話を楽しむ店ではありません。

ランチ客で混雑する香港中環の沾仔記店内とミシュランの掲示
昼の店内はほぼ満席。小さなテーブルを相席で使い、食べ終わると次の客へ席が渡ります。

英語メニューで「King Prawn Wonton Noodle」を指して注文。ほどなくして、黄色い細麺と大きなワンタンを収めた丼が運ばれてきました。

沾仔記の大粒海老ワンタンが入った40香港ドルのワンタン麺
注文した海老ワンタン麺。澄んだスープの上を、大ぶりのワンタンが覆います。

箸にずしりとくる、大粒の海老ワンタン

まず驚くのがワンタンの大きさです。薄い皮がひらひら浮かぶタイプではなく、中の餡が形を押し出しています。箸で持ち上げると、しっかり重い。一口で放り込むより、レンゲにのせて半分ずつ食べる大きさです。

箸で持ち上げた沾仔記の大粒海老ワンタンと極細の香港麺
箸で持ち上げると、この厚み。極細麺と並ぶことでワンタンの大きさが際立ちます。

皮を割ると、海老と豚肉の餡が隙間なく入っています。海老はすり身になり切らず、ぷりっとした粒の食感が残る。噛むたびに海老の甘みが広がり、豚肉が味に厚みを加えます。

沾仔記の海老ワンタンを割って見える海老と豚肉の餡
割ったワンタンの中には餡がみっちり。海老の粒が残り、噛んだときの弾力につながっています。

「大きいから有名」だけではありません。皮、海老、豚肉の比率がよく、ワンタン一個を食べるたびに満足感があります。

極細なのに弾力が強い、香港らしい卵麺

麺は黄色い極細の卵麺。細い見た目に反して、噛むとプツッと跳ね返す力があります。時間をかけるとスープを吸うため、写真を何枚も撮るより先に食べたい麺です。

箸で持ち上げた沾仔記の黄色い極細卵麺
箸の上で細い麺がまとまります。見た目以上に歯応えが強い香港式の卵麺です。

スープは澄んだ薄茶色。豚骨の土台に乾燥ヒラメの魚介感が重なり、羅漢果が味を丸くまとめます。塩気で押し切るスープではなく、飲んだあとにうま味が残るタイプ。力強いワンタンと細麺を受け止めながら、丼全体を重くしません。

後半は辣椒油で、澄んだスープを力強く

最初の半分は何も足さず、スープと海老ワンタンをそのまま食べます。後半になったら、卓上の辣椒油を少量。唐辛子の辛さと香ばしい油が極細麺へ絡み、同じ一杯が急に力強くなります。

沾仔記の卓上に置かれた赤い自家製辣椒油
卓上のふた付き容器に入った辣椒油。底の具ごと、白いスプーンで少しだけすくいます。

いきなり大量に入れると、せっかくの澄んだスープが辣椒油一色になります。まずは小さじ半分。これで十分です。

辣椒油を絡めて箸で持ち上げた沾仔記のワンタン麺
辣椒油を絡めた後半の麺。澄んだスープに辛さと香ばしさが加わります。

麺だけを見ると丼は大きくありません。それでも、大ぶりのワンタンが三個入ると食べ応えは十分。40香港ドルでこの内容なら、長くビブグルマンに選ばれてきた理由に納得できます。

沾仔記の注文方法・支払い・混雑|相席でも回転は速い

  • 注文:席で英語メニューを指して店員へ伝える
  • 初訪問の定番:King Prawn Wonton Noodle
  • 支払い:現金
  • 座席:混雑時は相席
  • 食べ方:麺が伸びる前にテンポよく食べる

注文は難しくありません。英語メニューがあり、海老ワンタン麺なら商品名を指すだけで通じます。現金を用意し、荷物を小さくまとめておけばスムーズです。

昼は行列ができますが、客の滞在時間は短く、席は次々に空きます。中環観光の途中で立ち寄り、30分ほどで食べて街へ戻る。この使い方がぴったりです。

「記子筷」の白い看板は別の店|沾仔記との見分け方

沾仔記へ向かうとき、最も紛らわしいのが威靈頓街85~89號にある白い看板の麺店です。一部の旅行者向け投稿では「祥仔記(Cheung Chai Kee)」と紹介されていますが、正式な店名は筷子記(Chopsticks Kee)です。

沾仔記の近くにある白地に赤文字の筷子記の外観
こちらは別店舗の筷子記。白地に赤文字の看板は右から左へ「記子筷」と並んでいます。

看板は昔ながらの右読みになっているため、通りから見ると「記子筷」の順に並びます。赤い大きな文字、にぎわう店内、麺店という共通点がそろい、地図を見ながら歩いていると「ここだ」と思ってしまいます。

筷子記で麺や具材を選ぶ番号式の注文票
筷子記は注文票で麺、たれ、具材を選ぶ車仔麵方式。この時点で沾仔記の簡潔なメニューとは大きく違います。

私も最初はこちらへ入り、注文票で具を選び、鶏肉と青菜をのせた撈麵まで完食しました。濃厚なたれを絡める澳門風の車仔麵で、こちらはこちらで人気があります。ただし、沾仔記の海老ワンタン麺とはまったく違う料理です。

筷子記で注文した鶏肉と青菜をのせた澳門風の撈麵
筷子記で実際に注文した撈麵。濃いたれを絡める料理で、沾仔記の澄んだスープの海老ワンタン麺とは別物です。
見分けるポイント沾仔記筷子記
英語名Tsim Chai KeeChopsticks Kee
住所威靈頓街98號威靈頓街85~89號 A1舖
看板黒地に金文字白地に赤文字。右読みで「記子筷」
中心となる料理香港式ワンタン麺澳門風の車仔麵・撈麵
注文雲吞・鯪魚球・牛肉から選ぶ多数の具、麺、たれを注文票で選ぶ
ミシュラン2026年ビブグルマン現行ガイド掲載なし

「筷子記は避けるべき店」という意味ではありません。沙嗲汁撈麵や豚扒包を食べたい日なら、筷子記が目的地になります。大切なのは、海老ワンタン麺を食べに来たのなら、98 Wellington Streetの沾仔記へ入ることです。

覚え方は簡単。黒と金の看板、店頭に並ぶ赤いミシュラン掲示。この二つを確認すれば間違えません。

黒地と金で『沾仔記』と書かれた看板が目印
黒地と金で『沾仔記』と書かれた看板が目印

まとめ|香港・中環の沾仔記で食べるなら海老ワンタン麺

沾仔記は、香港・中環で気軽にミシュラン・ビブグルマンの味を体験できるワンタン麺店です。

  • 2009年版から長くミシュランガイドに掲載
  • 2026年もビブグルマンに選出
  • 人気の定番は40香港ドルの海老ワンタン麺
  • 大ぶりで弾力のある海老ワンタン
  • 極細で歯応えの強い香港麺
  • MTR中環駅D2出口から徒歩約5分

高級店が並ぶ中環で、知らない人と相席し、熱い麺を一気にすすり、食べ終わったら街へ戻る。この潔い流れまで含めて、香港らしい昼食でした。

初めてなら、注文は海老ワンタン麺。店へ入る前には黒と金の看板を確認してください。白地に赤文字で「記子筷」と見える店は、澳門風の麺を出す筷子記です。どちらも麺店ですが、食べられる一杯はまるで違います。

香港旅行の移動や観光情報は、香港の記事一覧にまとめています。アジアの手頃なミシュラン飯が好きな方は、シンガポールのミシュラン屋台まとめもどうぞ。

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