話題の映画「糸」聖地巡礼|舞台になったシンガポールってどんなとこ?

菅田将暉、小松菜奈のW主演の話題作、映画「糸」。コロナ禍にも関わらず早くも観客動員100万人を突破し、2020年最大のヒット作となりました。

中島みゆきの名曲「糸」に着想を得た、平成元年生まれの2人のすれ違い、めぐり逢いの人生を、平成史の変遷と重ねて描写していく壮大なラブストーリー。

マジで泣けます。

映画糸

物語りの舞台は2人が生まれた北海道から、東京、沖縄、そしてシンガポール。

急速な経済発展を遂げ、アジアで最もエキサイティングなグローバル都市となったシンガポールが、平成時代の象徴として物語りの舞台に選ばれました。

空前の大ヒットとなった名探偵コナンの映画「紺青のフィスト」の舞台となったシンガポールが、今度は2020年を代表するラブストーリー映画の舞台に。

注目を浴び続けるシンガポール。大ヒット映画「糸」の舞台を覗いてみましょう。

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映画「糸」のあらすじ

平成元年生まれの高橋漣(菅田将暉)と園田葵(小松菜奈)。北海道で育った二人は13歳の時に出会い、初めての恋をする。しかし、そんなある日、養父からの虐待を受ける葵が突然姿を消した。真相を知った漣は、必死の思いで葵を探し出し、駆け落ちを決行する。しかし幼い二人の逃避行は行く当てもなく、すぐに警察に保護されてしまう。その後、葵は母親に連れられて北海道を去り、二人は遠く引き離された…。

それから8年後、地元のチーズ工房で働いていた漣は、幼馴染の結婚式のために訪れた東京で、葵との再会を果たす。北海道で生きていくことを決意した漣と、世界中を飛び回って自分を試したい葵。もう既に二人はそれぞれ別の人生を歩み始めていたのだった。

そして10年後、平成最後の年となる2019年。運命の糸は、もう一度二人をめぐり逢わせようとしていた…。

なぜめぐり逢うのかを 私たちはなにも知らない
いつめぐり逢うのかを 私たちはいつも知らない

中島みゆきさんの名曲「糸」の歌い出し部分の歌詞です。

運命の糸はある。でも、それがいつめぐり逢うのか…誰もしらない…

むっちゃいい映画です。

映画「糸」のロケ地になったシンガポール

シンガポールの観光スポット マーライオンパークの夜景

映画「糸」でシンガポールが舞台となっているのは、平成23年(2011年)~平成30年(2018年)。葵が、ファンドマネジャーの永島大介(斎藤工)との別れのあと、高橋玲子(山本美月)とネイルサロンの事業を立ち上げ、一旦は成功を収めた場所として使われています。

2000年代前半、多くの日本人が高齢化社会の到来と将来の内需縮小を唱え、海外進出の重要性を口にするなか、勇気ある日本人が海外へ飛び出し、起業し、成功を収めたのもまた平成時代の象徴だったと言えるかもしれません。映画「糸」では、そんな平成時代の海外事情を最もよく表現する場所として、シンガポールが舞台に選ばれています。

ただ、平成後期にものすごい勢いで成長したシンガポールを舞台に選んだことは、逆に、映画の中でその頃の時代感を表現するのを難しくしてしまったようです。

事実、この10年くらいでシンガポールはだいぶ変わっているので、今現在の撮影で数年前の様子を表すのは結構難しいです。今のシンガポールには10年前には無かった建物も多いので、無邪気にカメラを回すとそういった新しい建築物が映り込み、時代感を表せない。かといって、シンガポールの先進的な雰囲気も表現しないといけないという…結構難しいですね。

そういう事情もあってか、シンガポールを舞台としたシーンでは、いわゆる観光スポットの映像はほとんど使われていません。10年前から、あまり変化のなさそうなチャイナタウンや普通の街並み、郊外のホーカー(フードコート)が多く使われています。アタリがつきそうな場所の映像でも、背景を広く映さない接写的な映像も多く、現地を良く知る人間でも、場所を特定しにくかったです。

映画「糸」シンガポール聖地巡礼

そんなシンガポールのロケ地ですが、映画のパンフレットの中にバッチリ書かれています(笑)

といっても書かれているのは、

①シンガポールチャンギ空港

②マーライオン

③Monti

④チャイナタウン

⑤シャングリラホテル

だけですね。シンガポールの象徴マーライオンでさえ合計で5秒くらいカットじゃないと思います。マリーナベイサンズも、屋上のインフィニティプールも、カットは一瞬でした。

映画の中で、葵がシンガポールに渡ったのは成23年(2011年)。実はマリナーナベイサンズはその年にオープンしています。マリーナベイサンズのオープン当時のベイエリア(マリーナベイサンズ周辺)は、まだまだ開発途上でさら地だらけだったそうですから、現在の映像をあまり使うと時代感が違ってしまう。

なので、映画の中では、シンガポールの象徴としてよく使われる、マリナーナベイサンズの屋上プールやそこから見える高層ビルの夜景とかはほとんど使われていません。シンガポールの象徴的な風景を使わずにシンガポール感を出しています。

平成23年~平成30年までに無かったものは映し込まない。そんなリアル感にこだわった姿勢を感じました。でも…

シンガポールチャンギ国際空港

葵がシンガポールで働くために日本から到着し、玲子(山本美月)、冴島(高杉真宙)と会ったのが、シンガポールの玄関口チャンギ国際空港。ターミナル3のようですね。

シンガポール・チャンギ国際空港はとにかく広いですから、いたるところにこんな感じで案内版が出ています。

現在のシンガポールチャンギ空港には、4つのターミナルがあるので、どのターミナルかなっと思いつつ見ていたわけですが…

To T 1/2と書かれている看板と、To Terminal 4 という看板があったので、ターミナル3なんだなっと思いました。 (TはTerminal(ターミナル)のことです)。

でも…あとでよく考えてみると、ターミナル4は2017年オープンなので、葵がシンガポールに到着した設定である2011年には存在しないという…

見間違いかもしれないので、これから見る方は後ろの看板にターミナル4の文字があるか、チェックしてみてくださいね。

シンガポールチャンギ空港と言えば、この空港内の滝(JEWEL)が超有名ですが、これが出来たのは2019年4月。さすがに看板も含めて映り込みは無かったですね。

Jewelスカイトレインが真横を通過する

このJEWEL。滝が有名なんですが、ショップやレストラン、ホテルなどが入る複合施設です。この滝、夜にはライトアップショーが行われるんです。ショーの動画や写真をふんだんに使って、こちらの記事で詳しーくご案内しています。

マーライオン

葵がシンガポールで開業のために必死で働くシーンで一瞬映るのがシンガポールの象徴「マーライオン像」。観光ガイドとして、観光客になにやらマーライオンの説明をしているようでした。

結構ごった返していましたが、2011年頃のマーライオンはまだ世界三大がっかりスポットだったはず…

Monti(the fullerton pavillion)

葵と玲子が共同で始めた派遣型ネイルサロン事業の7周年記念パーティーの会場に使われたのがMontiです。2018年ころの設定なので、ベイエリアの姿は今の姿とほとんど同じですね。

https://thefullertonheritage.com

ベイエリアからマリーナベイサンズをキレイに見られるバー・レストランとしては、フラートンベイホテルの屋上バー「ランタン」あたりが有名ですが、パーティ会場として使われることが多い、Montiを敢えて使ったあたりがとてもリアルです。

Montiは、マリナーナベイサンズとは、マリナベイの対岸に位置するので、マリナーナベイサンズのショーは素晴らしくよく見えます。映画の中でもショーの映像カットが使われています。

チャイナタウン

映画の中で一番よくつかわれているのが、チャイナタウン界隈の映像です。

成長期にある多民族国家シンガポールの混沌とした様子が一番よく表現できる場所として選ばれたんだと思います。

シャングリラホテル

そして、葵と玲子の会社がネイリストを派遣していた場所として使われたのが、シャングリラホテル(オーチャード)です。

都市部にあって一番リゾートフルなプールがあるホテルがシャングリラなので、こちらもナイスチョイスですね。2018年の米朝会談の際には、アメリカのトランプ大統領が泊ったことでも有名です。

ただし、玲子がネイリストとして客とトラブルを起こしたのも、このシャングリラ。シャングリラは、宿泊客ひとりひとりの名前や好みを覚えるとさえ言われるほど、ホスピタリティ溢れるホテルサービスで有名なホテルです。そういうバックグラウンドとはちょっとマッチしないかも、って感じはありますね。

シャングリラ シンガポール

8.8  ¥25,081~

場所:オーチャードエリア

大きなプール/大きな部屋/ショッピングに便利/有名レストランがホテル内に多数

このホテルの詳細はこちら

シンガポールリバー周辺

建物の高さからするとボートキー周辺だと思われますが、シンガポール川周辺もよく使われています。

シンガポール川の夜景

でもこの写真みたいに高いビルはやっぱりあまり映してなかったかな。シンガポール川周辺はとてもキレイなので、もうちょっと映して欲しかったなw

マリナーナベイサンズ

マリナーナベイサンズの開業は2011年2月。映画の中で葵がシンガポールに来たのも2011年。今ではシンガポールの象徴として君臨するマリナーナベイサンズも、まだまだオープン仕立てという状況の中、葵のシンガポール生活は始まっています。

そういう時代背景もあって、映画ではマリナーナベイサンズをメインには使わなかったみたいです。

マリナーナベイサンズといえば、屋上のインフィニティプールが有名ですが、それも一瞬映されただけですね。

本当は、マリーナベイサンズ側から見たシンガポールの金融街の夜景も差し込みたかったと思うんですが、ビルの様子で時代がわかるのでこれも使われませんでした。

かなりキレイなんですけどね…子の写真にあるゴールドの低層建物が有名なザフラートンホテルなんですが、これも数年前までは赤っぽい光でしたからね。この方向の映像は、やっぱり使いにくいですね。

中島みゆき「糸」の歌詞

最後にこの映画の題材になり、映画の中でも繰り返し使われている、中島みゆきさんの名曲「糸」の歌詞を。2つ目のフレーズ「いつめぐり逢うのか私たちはいつも知らない」が本当に心を締めつけます。さすが、名だたるアーティストたちにカバーされる名曲!いい歌詞ですね。マジで泣けます。

「糸」作詞・作曲中島みゆき

なぜめぐり逢うのかを 私たちはなにも知らない
いつめぐり逢うのかを 私たちはいつも知らない
どこにいたの 生きてきたの 遠い空の下ふたつの物語

縦の糸はあなた 横の糸は私
織りなす布はいつか誰かを暖めうるかもしれない

なぜ生きてゆくのかを 迷った日の跡のささくれ
夢追いかけ走ってころんだ日の跡のささくれ
こんな糸がなんになるの 心許なくてふるえてた風の中

縦の糸はあなた 横の糸は私
織りなす布はいつか誰かの傷をかばうかもしれない

縦の糸はあなた 横の糸は私
逢うべき糸に出逢えることを人は仕合わせと呼びます

… 映画「糸」。本当にいい映画です。おすすめです。