国内でも海外でも、ビジネスで商品や材料を仕入れた場合に、即金で支払う会社は少ないですよね。麻薬の密売とか、宝石の買い付けとか、不動産の手付とか、アタッシュケースに入れて現金ドーンみたいビジネスもあるんでしょうけど…。まあ、これらのビジネスで実際に現金で売り買いをしているのかは不明なんですけどね。ドラマか映画か、所詮はそんなところから得た妄想イメージでしかないんですけど ^^;
会社が将来売るためのもの、言い換えれば将来的に売上原価になる、商品の仕入れや製品を製造するためコストを、‟つけ” にした場合、この ‟つけ” 債務として貸借対照表に計上されるのが「買掛金」です。
似ているのが、「未払金」。こっちは、原価にならないものの支払いに対する ‟つけ” です。販管費に計上される家賃であったり会費であったり、備品や機械を買う場合の ‟つけ” のことを言います。
英語でも、買掛金と未払金を区別して、
買掛金:Account payable – trade
未払金:Account payable – other
とします。これが会社の仕入債務の会計英語の基本ですね。
Receivable と Payable を押さえておこう!
Receivable は、Receive(受け取る)+ able(できる)なので、受け取ることができるという意味、Payable も、pay(払う)+ able(できる)なので、支払うことができるという意味です。
会計用語では、債権(受け取ることができる)について、Receivable を、債務(支払うことができる)について、Payable を、多用しますので、Receivable と Payable を使った会計英語を一緒に覚えておくと効率がいいですね。
日本語 | 英 語 |
(債権) | |
売掛金 | Account Receivable – trade |
未収入金 | Account Receivable – other |
受取手形 | Notes Receivable |
貸付金 | Loans Receivable |
未収利息 | Interest Receivable |
未収配当金 | Dividends Receivable |
(債務) | |
買掛金 | Account Payable – trade |
未払金 | Account Payable – other |
支払手形 | Notes Payable |
有利子負債 | Loans Payable |
未払利息 | Interest Payable |
未払税金 | Taxes Payable |
商品仕入時に使うビジネス英語
原材料を仕入れたり、商品を仕入れたりするときの流れは、だいたいこんな感じです。
このような流れをイメージしつつ、キーワードの英語を押さえておくと、商品仕入れの業務フローについて、英語で議論できるようになります。
自分が購入する側の人間であるというイメージで話しを薦めてい行きます。
まず、商品の見積もりや紹介について、潜在的な取引先に Offer を出します。
① 提案を受ける
オファーを出すと、大きなプロジェクトでは提案書(企画書)の提示がありますかね。
提案書(企画書)は「proposal」(プロポーザル)。make a proposal (提案する)という言い方も、よく使われますね。
② 見積書の提示を受ける
提案書で商品やサービスに納得したら、詳細な条件を詰めて見積書の提示をお願いします。提案書と同時に金額の提示をする場合もありますね。
見積書は「Quotation」(クォテイション)ですね。見積もりという、カジュアルな感じなら、「Quote」(クォート)でもOKです。Quote(クォート)は、見積もる(動詞)のほかに、見積もり・見積書(名詞)の意味で使えます。
よく使うのが、「ざっくりでいいからいくらくらいか教えて」って奴ですね。そんな時は、Rough(ラフ)Quote 又は、Rough(ラフ)Quotation を使います。
Rough(ラフ)は、覚えておくと便利です。ざっくりでいいんで、って日本語でもよく使いますよね(笑)
③ 契約を結ぶ
契約書は、Contract(コントラクト)ですね。契約を結ぶだと、Sign a contract でサインするという言葉を使いますね。
契約書は、Agreement と表現することも多いです。合意?と言う感じで、Contract よりも軽そうですが、まったくそんなことはなく正式な契約書も Agreement と表されます。
④ 商品が入庫する
買うはBuyでもいいですけど、仕入れるというようなビジネスで使う場合は、Purchase(パーチェス)がいいですね。
倉庫(warehouse)に受け入れる場合は、Receive (レシーブ)でいいですよね。
⑤ 商品を検品する
倉庫に入ったら検品をします。検品でOKが出た時点で仕入を計上するというのが検収基準(Inspection basis)というやつですね。
入庫したら、倉庫の人が、商品の品質や数量をチェックして、受領書にサインをします。これを日本語だと検品というので、Inventory inspection とか、Stock Inspection とか訳しますが、Inspection はもうちょっと良く調べる品質検査のようなイメージを持った方がいいですね。なので、受け入れ時の行為はだたの count(カウント)で、検品完了と思いっているのは、単にAccepted(受け入れた)というだけのような気がします。
この辺のニュアンスは会話の中で、ニュアンスを持って話すわけですが、面倒なら入庫検品は「Inventory inspection」というように覚えてしまっていいでしょう。
ちなみに、どのタイミングで仕入を計上するかの基準は、逆の立場からみれば、どのタイミングで売上を計上するか、ですので、収益認識に関する表現も併せて押さえておくと効率的ですね。
⑥ 納品書にサインをする
商品を受け取ったら、納品書にサインをしますよね。
この納品書は、英語で、Delivery Slip とか、Delivery Statement とか言います。
⑦ 請求書を受領する
請求書はInvoiceですね。
取引先は、サインされた Delivery Slip や それを前提にしたDelivery data に基づいて、請求書を作っているはずなので、会社もなにかしらの方法で、請求書が正しいことをたしかめないといけません。
⑧ 代金を支払う
支払うは、Pay ですが、国際取引の場合は「送金する」という意味の remit や remittance がよく使われます。
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