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IFRSのための会計英語|売上高や収益認識に関する表現を整理しよう

売上高といえば、それは企業の根幹となるビジネスから得られる収益ですから、IFRSに基づいた英語の決算書では、ビジネスの概要、売上高の計上方法、収益の認識基準など、比較的詳しく英語で説明されますが、普段使わない会計用語が盛りだくさんなので、簡単には理解できません。しかも、例によっていろいろな同じような意味でもいろいろな表現を使ってくるので、少し混乱してしまいますよね。

ということで、今回は、売上高や収益認識に関する会計用語を解説しちゃいます。いつも通り、好評いただいている、実践仕様でお届けします!

目次

「売上高」や「収益」に関するいろいろな表現

✅ 会計に関する資料や議論では「売上高」や「収益」はこう表現される

まずはIFRSでよく使われる売上に関する会計用語の英語と日本語訳を見ておきしょう。

売上高 Sales
収益 Revenue
収入・所得 Income

IFRSによらずとも、会計情報の議論や説明をするときには、この3語(Sales、Income、Revenue)は頻出です。

Salesは売上高、すなわち企業の主たる事業から上がる収益のことです。例えばスーパーマーケットなら商品をお客さんに売るのが売上ですし、ITサービスの会社ならシステムやパソコンの保守点検による収入が売上になります。

Revenueは主に収益と訳されます。収益は企業の収入全般をいい、上記のSales(売上)のほか、受取配当金や受取利息など、主たる事業以外からの収入も含まれます。

SalesとRevenueの関係を図で示すとこんな感じ。

Incomeは収入とか所得とか訳されます。収入は現金が実際に入ってくることで、所得は税金計算の対象となる利益のことを言う場合が多いです。

✅ 財務諸表では「売上高」や「収益」はこう表現される

売上・収益・収入の基本的な意味は上記の通りで、通常の会話では上記の通り使われることが多いのですが、財務諸表の勘定科目としては、少し違った使われ方がされます(これが最初は混乱のもとなのですが、そういう使われ方をするということを知っておくと対処しやすいと思います)。

財務諸表の収益関する勘定科目として、最もよく使われるのが「Income」で、「収益」としても「利益」としても使われています。

例えば、賃料収入はRent Income、受取利息はInterest Income、受取配当金はDividends Income、雑収入はMiscellaneous Incomeった感じで、損益計算書において、Incomeは「収益」として使われます。

一方で、営業費用はOperating Incomeですし、税引き前利益はIncome before income taxですし、純利益はNet Incomeと表記されます。この場合、Incomeは「利益」という意味で使われています。

誤解を恐れずに整理しておくならば、Salesは売上高にしか使われない。これはいいでしょう。その他の収益に関する勘定科目としては、Incomeの使用頻度が高く、「収益」としても「利益」としても使われています。

「利益」を端的に表すには、IncomeよりもProfitの方が理解されやすく、「収益」を端的に表すにも、IncomeよりもRevenueの方が理解されやすいため、混乱しやすい場面では、IncomeよりもProfitやRevenueが使われる傾向があります。

まあ結局ルールがあるようでないので語呂のいいものが勘定科目として定着しているような感じです。なんだかテキトーな感じですが、そのテキトー感に慣れないと、英文の財務諸表は読みにくかったりします。最初は、あまりこだわらずに、プラス側(収益・収入)かマイナス側(費用・支出)かくらいの感覚で読むのが良いと思います。

✅「売上高」を表現するその他の英語

ちょっとした会議や雑談の中では、売上高を別の表現する輩が現れますので、それも押さえておきましょう。

イギリス植民地だったこともあり、イギリス英語を使いがちなシンガポールでは、Turnoverという人が意外といます。損益計算書をイメージする職業の方(会計士やコンサル系の人)はTop Line を使いたがります(Salesは損益計算書の一番上の行にあるからです)。私はあまり会ったことがありませんが、Proceeds も売上高を表す言葉として使われるそうです。

このあたりは、自分で使う必要はないと思いますけど、知っておくだけで、会話がスムーズになるので、その程度に覚えておくといいでしょう。

収益認識の基準

IFRSの決算書などでは、収益認識に関する基準を英語で説明することもあると思います。

IFRSには、「収益認識に関する基準」として、IFRS15号「顧客との契約から生じる収益」がありますが、会計の大原則として収益は基本的に実現主義によって認識されます。

この実現主義の範囲内で(大きく逸脱しない範囲で)いろいろな収益認識基準があると言っていいのですが、これが契約形態や業種によって様々。

よく使われる収益認識基準とその英語表記はこんな感じです。

出荷基準 Shipping Basis
引渡基準 Delivery Basis
検収基準 Inspection Basis
工事進行基準 Percentage of completion method
工事完成基準 completed contract method

引渡基準(Delivery basis)や検収基準(Inspection basis)は、会計に関する議論では頻出ですね。

関連する「売上」や「収益」の英語表現

Gross Sales 総売上(値引きや割引を控除する前の売上高)
Net Sales 純売上(総売上から値引きや割引を控除した額)
Same-store Sales 既存店売上
Gross profit 売上総利益
Gross margin 売上総利益率

だんだんお腹いっぱいになってきましたね。

最後に使い方をひとつ。既存店売上です。これは比較分析ではよく使うので。

As we already reported early in January, same-store sales continued to rise in December, gaining 4.5% year-on-year.
1月にすでにお伝えした通り、12月の既存店売上高 は4.5%増と増収を維持しております。
 
みたいな感じですね。year-on-yearは前年比という意味で使える便利な言葉ですので、余力があればインプットしちゃってください。
🔷🔷 経理・財務・会計用語の英語表現を完全網羅!🔷🔷

決算や経理で使う会計用語の英語表現をまとめ上げました。

英語の会計用語でわからないことがあったら、こちらを覗いてみてください。

和訳英訳だけでなく、会計用語の解説記事へのリンクもついているので、難解な会計用語もサクサク検索できます♪

https://singapore.jpdesk.net/ifrs-%E8%8B%B1%E8%AA%9E-bs-pl-%E8%B2%A1%E5%8B%99%E8%AB%B8%E8%A1%A8-%E4%BC%9A%E8%A8%88%E7%94%A8%E8%AA%9E-500%E9%81%B8/

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