毎日使う現金と会社のお金を預けておく銀行預金、それに経費の精算。やっぱりビジネスシーンでは欠かせない英語表現ですよね。これ知らないとスタッフに頼み事するのもままならないですから。経費の申請、精算、立替払い、などなど。オフィスでこれらの英語を日常的に使うイメージ、湧きますよね。
また、キャッシュフロー経営なんて言葉もあるように、キャッシュ(現金や預金)は経営上もとても重要な要素です。表面上どんなに利益がでていても、お金が無くなったら会社は当然つぶれますからね。会社の損益ももちろん大切ですが、実はキャッシュの動きを肌感覚でとらえることできるかが、良い経営者や管理者の素養だと言われています。そういう意味でも、キャッシュにまつわる表現はしっかり押さえておきたいところです。
さらに、現金や預金、経理事務でも必須の英語表現です。現金も預金も持っていない会社なんてないですからね。必ず貸借対照表に計上される、とても基本的で重要な会計英語になります。海外勤務をすると、日本よりも階級がアップして、単なる使用者から管理や経営サイドにマインドを変えていかなければいけないことがよくあります。
今回は、こんな海外でのビジネスシーンで必須となる現金預金にまつわる英語表現を解説していこうとおもいます。サクッと押さえておきましょう。
小口現金にまつわる英語
経費払いのために保管している現金
会社などの経費の現金払いに対応するために、事務所の金庫などに保管してある現金のことを小口現金といったりしますね。よく、事務のおばさん、もといお姉さんが、手提げ金庫に入れて保管している、あれです。
英語では、Petty Cash とか、Cash in hand などと表現されます。
立替金
会社の経費を立て替えたり、取引先の必要経費を立て替えたり、というのはよくありますよね。
立替金を名詞で表す場合は、Out-of-pocket expense がよく使われます。Out-of-pocket は、文字通り自分のポケットから出すという意味なので、精算を前提にしないなら、自腹でという意味になります。Out-of-pocket expense はカジュアルな感じもしますが、契約書その他オフィシャルな文書でも使える表現ですね。その他、reimbursed expense なんていう単語を使うことがあります。こちらは主に文章で使う感じです。
前払金(前渡金)のような意味では An advance, Advance payment などがよく使われます。
立替払いを動詞として表す方法はいろいろあって、立替払いの性質を勘案しながら言葉をチョイスする感じになります。
pay for my company(会社のために払う)みたいな場合もあれば、Pay on behalf of (会社の代理で払う)みたいな場合もあれば、Pay in place of (会社に代わって払う)みたいな場合とか。単に、pay company expense(会社の経費を払う)だけでも、意味が通じる場合も多いです。
経費の(払い戻し)申請をする
経費の払い戻し申請は、Claimを使います。
このクレームは日本語では文句を言うというような意味でつかわれますが、英語にそのような意味はないですね。英語のクレームは、強く主張するとか、当然のこととして主張するとか、そういった意味合いです。
経費申請についても、当然払い戻しを受けるべきものとして、当然の顔をして、会社に返してくれ~♪という感じが、Claim です。
I claimed travel expenses yesterday.
もう少しオフィシャルな表現で、File という表現もよく使われます。なんとなく、申請書のような何かの提出を求めるようなイメージの分だけ、オフィシャルな響きがあります。政府機関や役所に書類を提出する場合にも、この File は、よく使われます。
Please file the expense reports by the end of month.
(月末までに経費申請してください)
物理的に何か書類を指して「提出する」というなら、submit とか、hand in とかが使われます。
経費の払い戻し
申請した経費の払い戻し(精算)を受ける場合の「払い戻し」はreimburse (リ・インバース)を使います。
The subscription expense has been reimbursed last month.
(購読費用は先月払い戻し済みです)
領収書
Receipt(レシート)です。日本語と同じなので、和製英語かと心配になる言葉ですが、英語でもレシートでOKです。
その他経費精算でよく使う経費項目
経費精算で使う項目といったらだいたい限られてきますよね。以下の費用項目を押さえておくと経費精算のときに便利だと思います。
出張日当 | per diem |
交通費 | travel expenses |
出張経費 | Travel expenses for business trip |
接待交際費 | entertainment expenses |
会議費 | conference expenses (meeting expenses) |
銀行預金にまつわる英語
預金口座を開設する
銀行口座は、Bank account 、口座開設は、Open a bank account、ですね。海外で働くと、口座開設が必要になることが、結構あったりします。
預け入れ、引き出し
預け入れは、Deposit、 引き出しは、Withdraw、です。日常会話でも必要な単語です。
送金する
送金するは、Remit です。make remittance とも言います。日本へ送金するというような場合にも、取引先への支払いや給与の振り込みなどにも使います。
口座引き落とし
名詞だと、automatically withdrawn とか、Direct debit とか。
動詞なら、be charged directly to my bank accountとか、be withdrawn automatically from my bank account とかです。
英語でありがちな、スカッとした表現がありそうでない奴です。
口座から自動で引き出されますとか、銀行へ直接請求されますとか、状況に応じて表現を変えていくタイプです。(上述した立替払いの動詞表現とかも同じ類ですね)
一般論から外れますけど、自分が働いているシンガポールでは、GIROという自動引落しの仕組みがあって、これを自動引落しの一般名詞のように使います。MRTを電車のことのように使うのと同じで、最初だけ戸惑います。
預金通帳
物理的な通帳は、Passbookとか、Bankbookとか、言いますが、最近は、電子記録も多いので、Transaction record (取引記録)とかの方が万能で使いやすいです。
小切手
Checkですね。海外では、たまに小切手を求められることがあります。普通預金でも、契約すればCheck Book(小切手帳)がもらえます。
日本の現金及び預金と海外の現金及び現金同等物の違い
日本の貸借対照表に計上される「現金及び預金」とIFRSをはじめとする海外の貸借対照表に計上される「現金及び現金同等物」は、範囲が違います。
日本語訳の言葉も違うので当然といえば当然ですが、貸借対照表で一番最初に出てくる科目なので(流動性配列法の場合)意外と意外です。
日本では、「現金及び預金」は、英語では、「Cash and Deposits」と訳します。
一方、IFRSなどの海外の決算書の「Cash and Cash Equivalents」は、「現金及び現金同等物」と訳されます。
日本の「現金及び預金」は、現金と1年以内に満期が到来する銀行預金が計上されます。これは、感覚として捉えている流動資産の現金及び預金の範囲と一致します。
一方、海外の決算書の「現金及び現金同等物」は、キャッシュフロー計算書におけるCash の概念と同じなので、現金とすぐに換金できる現金のようなもの(現金同等物)を指します。現金と3ヶ月以内に満期が到来する定期預金などのほか、有価証券に区分されるものも、含まれるのが大きな違いです。
キャッシュフロー計算書
現金や銀行預金の残高は、貸借対照表に会社の資産として載せられるだけでなく(ストック)、1年間の動きをキャッシュフロー計算書として開示することが求められています(フロー)。
このキャッシュフロー計算書、日本では上場会社でない限り作成の義務はありませんが、海外では、基本的な財務諸表のひとつとして通常は小さな会社でも作成することが求められます。
IFRSでも、ISA1号において、完全な一組の財務諸表 (a complete set of financial statements) として、以下をあげています。
- 財務状態計算書(statement of financial position
- 包括利益計算書(statement of comprehensive income)
- 持分変動計算書(statement of changes in equity)
- キャッシュ・フロー計算書(statement of cash flows)
- 注記(notes)
キャッシュフロー計算書の構造
詳しい解説は別記事に譲るとして、ここでは、ぞの基本的な構造だけ、英語表現とともに見ておきたいと思います。
キャッシュフロー計算書は、間接法と言われる、損益計算書の利益からスタートして、種々の項目調整をしながら作成していく方法が一般的で、以下のような区分表示で作成されます。この区分表示の仕方は、日本とIFRSの間で相違はありません。
キャッシュフローの内容は、営業活動によるキャッシュ・フロー、投資活動によるキャッシュ・フロー、財務活動によるキャッシュ・フローに区分され、集計されたうえで、期首の現金及び現金同等物に加減算されて、期末の現金及び現金同等物の残高が計算される仕組みになっています。
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英語の会計用語でわからないことがあったら、こちらを覗いてみてください。
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