シーギリヤロック。岩の頂上の標高は約370 m、岩自体の高さだけでも195 mもあります。
この岩の上に宮殿が本当にあったんです。
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なぜこんなにも大きな岩のうえに宮殿遺跡があるのでしょうか。
このシーギリヤロックはシーギリヤ王朝のカーシャパ王が建てた宮殿です。カーシャパ王は、477年にクーデターを起こして、実の父親から王位を奪取して王位につきましたが、王位に就いた後は、親族、特に義理の弟モッガラーナからの復讐を恐れ、逃げるようにこの大きな岩の上に王宮を造ったといわれています。
短期間のうちに岩の上に宮殿をつくり上げる指導力とは裏腹に、このようなところに王宮を建てるほど復讐におびえる弱い面を持っていたといわれています。
結局、王位はわずか18年しか続かず、495年に義理の弟モッガラーナの強襲を受け、カーシャパ王は自害による最期を遂げたそうです。
大きな岩のうえに王宮を建てさせるという強大な力を誇る一方で、義理の弟の復讐におびえ続けた弱き王。シーギリアロックを登っていると不思議とそんなカーシャパ王の姿が浮かんできます。
シーギリヤロックの行き方
シーギリヤロックは有名ですが、アジアの遺跡にしてはちょっと行きにくいところにあります。
スリランカの西海岸のコロンボ空港というところから、150キロほど内陸にあります。空港からどうやって150キロ陸路で移動するか、これがちょっと悩ましいところです。
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シーギリヤロックに登る前に
スニーカーで行きましょう
シーギリヤロックへの登頂は、険しい道こそないものの結構な階段を登りますので、サンダルじゃなくて、スニーカーで行った方がいいですよ。特に、女性で少しヒールのあるサンダルを履いている方もいましたが、ちょっと辛そうでした。
スリランカで、寺院に入るときには靴を脱ぐ必要があるので、一般的には脱ぎ履きしやすいサンダルも便利なんですが、トータルで考えるとやっぱりスニーカーの方がいいと思います。
あとはTシャツのような感じで。日差しが強いので気になる方は日焼け止め対策もお忘れなく。
チケットを買う前に頂上まで行けるか確認しましょう
いきなり、現実的な話しですけど、シーギリヤロック観光には入場料がかかります。
まずばチケットカウンターに行ってチケットを買うわけですが、これがバカ高いと不評。外国人は、大人料金が、30 USドルか、4,620 スリランカルピー、子供料金(6歳から12歳)が、15 USドルか、2,310 スリランカルピーです。
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現地の物価水準からするとたしかに激高ですが😢、観光なのであまり考えずに買います。
昨日の記事でも書いたのですが、昨日の午後にシーギリヤロックのチケットセンターまで来たのですが、中腹にある大きなハチの巣の活動が活発なため、頂上まで登れない(中腹のライオンテラスまでしか行けない)と言われました。
予想外のことで、意味を把握するのに少し時間がかかりましたが、そういうことがあるということ、皆さんも念頭においておいた方が良いと思います。
カウンターにはこんな告知があります。「ハチの活動が活発になった場合には、ライオンの足(中段にあるいわゆるライオンテラスと呼ばれる場所)より上には進めません。その場合でも料金の払い戻しはしません」っという感じの告知です。
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調べてみると、シーギリヤロックのハチの巣問題は、ずいぶん前から繰り返されているようです。巣が大きくなっては駆除するということを繰り返しているようですが、数年前には蜂の巣の撤去のため全面的に入場を制限するような事態もあったそうです。
こちらが、ライオンテラスの横にあるハチの巣の様子。ちょっと高いところにあって、iphoneカメラの限界なんですが、黒い塊がハチの巣です。こういうのが何個もありました。現在は周りに足場を組んで駆除作業を開始しようとしているところ、という感じでした。
蜂の活動が活発になって登頂を制限するような場合には、たぶん受付で言ってくれると思いますが、予想していないことだとわからずOKとか言ってしまいそうなので、そういうことがあるということは認識しておいた方がいいと思います。
ちなみに現地のガイドさんのお話では、ハチの活動は午後に活発になることが多いので、午前中は大丈夫と言っていました。
そういう意味では、シーギリヤロック登頂は午前中に登るべきだと思います。ちなみにオープンは朝7時だそうです。
シーギリヤロックへ出発!
ということで翌日の午前中に、再度シーギリヤロックへ。
バカ高いチケットをカウンターで買って、それを敷地前の入場口で渡し、いよいよ登頂!
10時ごろに登り始めたんですが、この日はとても混んでました。
クリケット(スポーツ)のスリランカナショナルチームの試合が、ダンブッラのスタジアムで夜にあるため、スリランカ人が大勢押し寄せていました。昼はシーギリヤロックで、夜はクリケットというプランなんでしょう。シーギリヤロックはスリランカ人にも憧れのスポットなんですね。
ちなみに、スリランカで最も人気のあるスポーツはクリケットだそうです。ナショナルチームは世界一強いとか。調べてみると、1996年のワールドカップで優勝、2011年、2015年には、準優勝をしています。世界一かどうかわかりませんが、トップレベルには違いないようです。クリケットは英国発祥のスポーツなので、元英国植民地の国では、日本人が想像する以上に人気スポーツみたいですね。
話しがそれましたが…
入場してすぐの写真がこれ。
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入場すると、お堀にかかる小さな橋を渡り敷地内に入ります。まだまだシーギリヤロックは木陰からちょっと見える程度。遠いですね。それにしても、人が多い、多い😁
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通りを素直に進んでいけば、すぐにシーギリヤロックが正面に見えてきます。
シーギリヤロックへ続く道の周りには、当時の建物の跡がたくさんあります。シーギリヤロック(王宮)を囲んで、広く街が栄えていたことが伺えます。
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シーギリヤロックが少しずつ近くなってきます。やっぱりデカい。しかも、その上に宮殿があったなんて信じられません。
このあと、何度も見ることになるスリランカ独特の大きな岩で作られたエントランス。
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この岩で作られたエントランスを抜けて、いよいよシーギリヤロック登頂です!
と思った矢先。ガーン!渋滞。奥の方、岩の上の方の回廊が見えますでしょうか。
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素晴らしい景色だけ、載せてもよかったんですが、これは、お見せしておかなければいけません。この先に、シーギリヤレディの壁画の前に狭い階段があるので、必然的に人が詰まり、渋滞が起きています。
スリランカ政府が観光業に力を入れていることもあり、シーギリヤロックの観光客が年々増えているのと、構造上の問題もあって、渋滞は起きやすくなっていると思います。
これから行かれる方は、日によってはこのような渋滞があることを考慮に入れて日程を組んでくださいね。蜂の対策を含めて、やっぱり朝ーで行くのがよさそうです。
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それでも、どんどん登るにつれて、素晴らしい景色が広がってきます。
が、眼下にはさらに凄みを増す行列が…。
この日は土曜日だからか、はたまたクリケットの試合の影響か、いつものシーギリヤロックの様子はわかりませんが、こうなることがある、ということだけは事実。
シーギリヤロックにもう一度くることがあるならば、絶対にオープンの7時に入場します。😢
観光客でいっぱいのシーギリヤロックでしたが、さすがは絶大な人気を誇る世界遺産ですね。道中の景色は最高、見どころも満載です。
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見どころ その1 シーギリヤレディ
これが描かれた5世紀の当初は500体以上あったといわれるシーギリアレディのフレスコ画。現在は、風化が進んでしまい残っているシーギリヤレディは18体だけがだとか。
フレスコとは、新鮮(生乾き)という意味で、フレスコ画とは、壁に塗った漆喰が乾く前に、つまりフレスコの状態で、その上に顔料で画を描くいたもの。
やり直しが効かないため、高度な技術力が必要だが、一旦乾くと水に浸けても滲まず、長期保存に適した方法だという。これが、5世紀という遠い昔に、壁に描かれたシーギリヤレディが、今なお鮮明にその姿を残している理由。
でも、漆喰自体が剥がれ落ちるともちろん画も壊れてしまいます。
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写真も右上部分は剥がれ落ちてしまっています。
永い年月を経て今なおここに当時の画が存在するという尊い真実と、一方でこれが永遠ではないという儚さを感じつつ…
見どころ その2 ライオンテラス
中段までくると、有名なライオンテラスがあります。
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ライオンの前足を模った王宮へのエントランス。当初は上にライオンの顔のオブジェがあり、ライオンの喉元に向かって進むようなエントランスだったとか。
現在は前足部分だけですが、その大きさ、その精巧さに、圧倒的な迫力を感じます。
このエントランスの左側です。先ほど記載した観光客の行く手を阻むハチの巣があるのは。
チケットセンターに貼ってあった注意書き「when an attack of bumble bees( wasp) occur visitors are not allowed to proceed beyond lions paw to sumit…」というのは、ここLion’s Paw(ライオンの前足)までしか来れませんよ、ということですね。
ここからでも景色はいいですけどね。折角来たのにこれから先に行けないのでは、がっかりですもんね。
ピドゥランガラ・ロックも見えます
ライオンテラスから頂上へ行く階段と反対の方向に見えるのが、シーギリヤロックの隣の山「ピドゥランガラ・ロック」です。ふーん…
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ちょっと待ってください。ここは本当にすごいところです。シーギリヤで一番のおすすめスポット!今回の旅で一番感動した場所です。
なぜ、ほとんどの人があそこに行かないで帰ってしまうのか。ほんとうにもったいない。
覚えにくいんですよね、名前が😁。なので検索しにくい😬。のが理由でしょうか。山頂への道が必ずしも整備されていないので登りにくい?のが理由なのでしょうか。
ピドゥランガラ・ロックです。本当におすすめなので、絶対に行ってみてください。
ピドゥランガラ・ロックについては、こちら記事で詳しくご説明していますので参考にしてください。
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岩の上に本当に王宮跡があった
ついに頂上です!
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巨大な岩の上に、王宮の遺跡は本当にありました。
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本当にこんなところに宮殿を建ててしまったんですね。力あったんですね、カーシャパ王。
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スリランカのすべてが見渡せるような高台から、当時の王カーシャパが見ていたと同じ絶景をみながら、彼がどんな考えでここに王宮を建て、どんな生活をしていたのか。いろいろな思いが巡ります。
天空のラピュタのストーリーと重ね合わせる人が多いみたい。そんな感じかな。でもこっちはリアル、実在し、今もその跡が実在してるんです。なんとなく「天空の城ラピュタ」とかキャッチーな言葉は使いたくないよなって、そんな気分になります。
これほどまでの宮殿をこのような場所に立てる力を持っていながら、内心では義弟の復讐におびえる弱き王カーシャパ、そんな王の姿が自然と目に浮かんでくる、そんな感じがしました。
他の世界遺産とは一味違う、バックグラウンドにある王様のストーリーをかみしめたくなる、そんな遺跡でした。
とても素晴らしい場所ですが、後ろ髪惹かれる思いで下山(岩)しました。でも、下山ルートも見どころたっぷりでしたね。仏教寺院としても栄えた場所ですから。下山ルートではカーシャパ王没後も栄えたシーギリヤロックの姿が見えてきます。
ゆっくりと、あちこち寄り道しながら、ゆっくりと下りたほうがよさそうです。
下山ルートにも見どころがいっぱい
下山でしょうか、下岩でしょうか😄
下から見上げると、改めてシーギリヤロックの大きさがわかります。岩が大きすぎて…写真に収まりません😁 途中にいる人が本当に小さい。ありきたりですが、小さいですよね、人間なんて。
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帰り道にも、たくさんの見どころがあります🙂
大きな岩をそのままモチーフにした建造物が目立ちます。
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特に、2つの大きな岩を寄りかからせて、三角の間口を作るタイプのエントランスは、この後スリランカでよく見るスタイルでした。
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これが何かを意味しているのか調べきれませんでしたが、間違いなく意図的に置かれています。誰かがこの巨大の岩を運んだということなんでしょうね。どうやって?、、、象、でしょうね。シーギリヤロックの頂上の王宮遺跡は、比較的小さな岩を積み上げてできていましたけど、下の方に近づくにつれて大きな岩が目立つようになります。象は力はあるけど、大きすぎて頂上までは行けませんから、下の方には象が運んだ大きい岩、上には人力で運んだ小さい岩が、あるんでしょう。
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この2つの大きな岩で作られたエントランスは、スリランカの他の寺院でも頻繁に見かけたスタイルです。シーギリヤロックは、カーシャパ王の陥落後、仏教僧に寄贈されていますので、下山途中のこれらの遺跡は、カーシャパ王朝時代のものではなく、その後に仏教徒によって作られたものではないか。
とか。考えてるのは結構楽しい。考古学者気分で。😁
まだまだいっぱい魅力的な写真があってお見せしたい気持ちもありますが、皆様が現地へ行ってからの感動を減らさぬよう、この辺りで。
登頂開始から2時間後、無事ミッション完了、下山しました。
シーギリヤロックのふもとで
遺跡出口の風景。
アンコールワットやバガンなどアジアの観光地でありがちな、出口付近でのお土産買ってくれ攻撃はありません。普通に売店が待ち構えていますが、売り込んで来たりはしません。
でも汗だくで喉がカラカラ。ここで、コーラ200ルピーは反則でっせ😁。ほんと全員買っていきます。売れまくりですよ。
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そのあと、トゥクトゥクドライバー兼ガイドのマチャンが、友達のお店に連れて行ってくれて、お茶をふるまってくれました。こういうところが、今回のガイドの乙なところ。(なにか売りつけたいのかなと思いましたが、結局そんなこと全くなかったです。商売っ気ゼロです。この人。)
左のキャラメルみたいなのは、ミルクと砂糖の塊りみたいな奴。お茶は、無糖のセイロンティーです。
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キャラメルみたいなやつをカリッとかじって、セイロンティーを一口。
すると、あら不思議、口の中でミルクティーになります。(当たり前😄)
2杯飲んで、スリランカの兄ちゃんたちと談笑して…2杯ももらったし、少し払おうとしたんですけど、お代は要らないよって。
無理やりちょっとだけ受け取ってもらったけど。なんて良い奴らだ、スリランカ人。
子猿も参加したそうに覗いていましたよ。🙂
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このあと、木で作ったパチンコで撃退されてましたけど😁
スリランカの人たちの談笑しながらお茶を飲んで…こうやって旅先の人たちと触れ合うのがなにより楽しい。ほんとに素敵なところですよ、スリランカ。
ライオンロックと呼ばれるわけ
今回のガイド、マチャンは最高でした。ほんとにちゃんと仕事をします。
ロックを降りてからも、いろいろな角度からシーギリヤロックを見せてくれます。撮影スポットでトゥクトゥクを止めては、写真を撮ることをすすめてくれました。
そういえば、シーギリヤロックのことを、同じホテルに居合わせた欧米からの観光客は、ライオンロックと呼んでいました。(呼び方は、むしろライオンロックが断然主流だそうですが)
シーギリヤロックがライオンロックと呼ばれるのは、何もライオンテラスのライオンのオブジェのせいではなく、この岩全体がライオンのような形をしているからです。
こうして、いろいろな角度からみると、なるほどライオンに見えます。
(左斜め前からのライオン)
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(正面からのライオン)
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なんとなく、なんとな~く、ですけど、ライオンに見えませんか。
カーシャパ王がこの上に宮殿を建てる前から、ライオンの風貌をしたこの岩は存在していたわけで、おそらくスリランカの人々にとって特別な存在だったに違いありません。
そうだとすると、その上に宮殿を建てたカーシャパ王って…単に報復を恐れて逃げていただけなんだろうか…っとなんとなくまた違う王の姿が見えてきたりして。
妄想は続きます。😁
シーギリヤロックの素晴らしい眺めに後ろ髪惹かれながら、マチャンのトゥクトゥクは、シーギリヤロックを後にし、隣の山ピドゥランガラ・ロックへ向かいます。
ここが素晴らしい場所でした!!
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