【インドネシア】世界三大仏教遺跡 「ボロブドゥール遺跡」を徹底解説

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世界三大仏教遺跡のひとつ世界遺産ボロブドゥール遺跡。インドネシアのジョグジャカルタ空港(アジスチプト国際空港)から車で1時間あまりの片田舎に突如として姿を現す世界最大級の巨大遺跡です。

アンコールワット遺跡、バガン遺跡と他の世界三大仏教遺跡を制覇したバックパッカーが最後に目指す場所ともいわれています。

ボロブドゥール遺跡

Wikipediaの説明はこんな感じです。

ボロブドゥール遺跡は、インドネシアのジャワ島中部のケドゥ盆地に所在する大規模な仏教遺跡で世界的な石造遺跡。世界最大級の仏教寺院であり、「ボロブドゥール寺院遺跡群」の一部としてユネスコの世界遺産に登録されている。インドから東南アジアに伝播した仏教は一般に部派仏教(上座部仏教)と呼ばれる仏教であったが、ボロブドゥールは大乗仏教の遺跡である。遺跡総面積はおよそ1.5万㎡。高さはもともと42mあったが、現在は破損して33.5mになっている。

総延長5kmにおよぶ方形壇の回廊には、仏教説話にもとづいた1460面におよぶ浮彫彫刻(レリーフ)が時計回りにつづいており、登場人物は1万人におよぶとされている。仏像は、第一回廊から第四回廊の壁龕(くぼみ)に432体、3段の円形壇の上に築かれた釣鐘状のストゥーパ72基の内部に1体ずつ納められており、いずれも一石造りによって等身大につくられ、計504体を数える。

Wikipedia から引用・要約

世界遺産「ボロブドゥール遺跡」まず有名なのはその巨大さですね。

一辺の長さ約115メートルという巨大な基礎壇のうえに、5層の方形壇、その上に3層の円形壇を重ねた、合計9層で構成される石造寺院の高さはなんと33.5メートル。威風堂々、鉄壁の擁壁といった風貌です。遠くから見ても、近くから見ても、想像のレベルを凌駕しているからでしょうか、現実ではない世界を見ているような、そんな不思議な感覚になります。

次に注目したいのが、72基のストゥーパ。ストゥーパというのは仏塔のことで、その内部には仏像が納められています。寺院の最上段に所狭しと、それでいて規則的に設置されたストゥーパが、なんとも言えない幻想的な光景を作りだします。

ボロブドゥール遺跡が魅力的なのは、こうした構造物だけではありません。寺院を取り囲む回廊の石壁には、長さ5キロにも渡って仏教説話にもとづいた1460面におよぶ浮彫彫刻(レリーフ)が。このレリーフ、保存状態が世界でも類みなほど素晴らしく、当時のままのディテールをたのしむことができます。

これまでいろいろな遺跡を見てきましたが、ここまで美しいレリーフは初めて見ました。なぜここまで美しい状態を保ち続けることができたのか。その答えは、ボロブドゥール遺跡の発見秘話にありました。

ボロブドゥール遺跡の歴史

ボロブドゥール寺院は、19世紀にイギリス人のトーマス・ラッフルズによって地中から発見されました。当時、この地域では、その昔巨大な石造寺院があったという言い伝えがあったのもの、地上にはその姿はなく人々の記憶からその存在は忘れらていたと言います。

トーマス・ラッフルズはこの言い伝えを頑なに信じて発掘作業をすすめ、ついに地中からこの巨大遺跡を発見したそうです。

その後の調べで、このボロブドゥール寺院は、8世紀から9世紀にかけて、シャイレーンドラ王朝によって建てられたものであることが判明しましたが、この寺院、発見されるまで、少なくとも何百年もの間地中に埋もれていたため、災害や戦火を逃れ、また風食にあうことなく、埋もれたときのままの姿で発見されたのです。

これが、ボロブドゥール遺跡がこれぼどまでに美しい姿で今も存在している理由です。

では、なぜボロブドゥール遺跡は地中に埋まったのでしょうか。どれくらいの期間埋もれていたのでしょうか。

ボロブドゥール遺跡が長い間地中に埋まっていた理由は2説あります。

1つは、イスラム教徒の破壊行為から寺院を守るために仏教徒が地中に隠したという説です。インドネシアはもともと仏教の国でしたが、15世紀ごろからイスラム教が急速に広まり、ついには国じゅうを席巻するようになりました。ボロブドゥール遺跡は仏教寺院なので、イスラム教徒から攻撃される可能性があり、それを恐れた仏教徒がこれを地中に埋めた、というのです。

これは寺院が埋められていた場所の上表部の土が、寺院の基礎部分の土と同質であったということから主張されている説のようですが、あのボロブドゥール寺院の巨大さを見てしまうと、あれを覆い隠すほどの土をどこかから運びこむというのは、ちょっと考えられないですね。

ということで2つ目の説の方が有力説です。それは、ボロブドゥール寺院の北東に位置するムラピ山の火山灰によって埋もれたという説です。このムラピ山は16世紀に実に68回も噴火を繰り返したという文献が残されており、その時の火山灰で遺跡が埋まったのではないか、という説です。巨大寺院を跡かたもなく埋め尽くすわけですから、物理的に考えて人力で埋めるのは難しそう。火山灰説で間違いないでしょうね。

とすると、だいたい16世紀に火山灰の下に埋もれてから、19世紀にトーマス・ラッフルズに発見されるまで、300年もの間、地中に埋もれていたことになります。

1000年の眠りから覚めた巨大遺跡

ということで、サイトで見るキャッチーワードのこれ。ウソですね。眠っていたのはせいぜい300年ということで(笑)

ボロブドゥール遺跡の不思議

いずれの説にせよ、私たちが、ボロブドゥール寺院をこのような素晴らし状態で今も楽しむことができるのは、寺院が長い間地下に埋もれていたお陰なんですね。

(正確にはそのまま保存されていたわけではなく、発見後長い年月をかけて大改修が行われたお陰ですが、それでも他の遺跡も同じように大改修を継続していることを考えると、傷みの程度が軽かったと言えますね。)

そういえば、このボロブドゥール寺院、他の古代遺跡とちょっと違うところがもう一つあります。それは遺跡「群」というほど、たくさんの遺跡の集合体ではないということです。

ボロブドゥール遺跡【群】という時、それに含まれるのは、これまでご紹介した「ボロブドゥール寺院」と、「パオン寺院(パォン寺院)」、それから「メンドゥ寺院(ムンドゥ、ムンドゥット寺院)」があるだけです。

遺跡の分布もこんな感じでとてもまばらです。

しかも、「パオン寺院(パォン寺院)」と「メンドゥ寺院(ムンドゥ、ムンドゥット寺院)」は、とってもスモール。こんな感じでまったく見応えがありません。

パオン寺院(パォン寺院)

 

メンドゥ寺院(ムンドゥ、ムンドゥット寺院)

あれだけ大きなボロブドゥール寺院を建てるわけですから、当時のシャイレーンドラ王朝は相当の力を持っていたはずで、そうであるならば、この巨大寺院の周りには多くの建物があったはずなんです。が、その痕跡(遺跡)が一切なく、遠く離れた場所に2つの小さな寺院(遺跡)しかありません。

これは何を意味しているのでしょうか。

そうです。火山ですね。この辺り一帯はやはり火山灰で埋まってしまったんでしょう。ということは、こうやって歩いている地面の下に、今も眠れる遺跡がある…そういう場所なのではないでしょうか。

ボロブドゥール遺跡の場所・行き方

そんなボロブドゥール遺跡の場所をもう少し詳しく見ていきましょう。

場所ジョグジャカルタ。大きな視点でいうと、インドネシアジャワ島の真ん中あたり、西のジャカルタと東にあるバリ島の間にあります。

最寄の空港は、ジョグジャカルタ空港(正式名称は、アジスチプト国際空港)です。

インドネシアの首都ジャカルタの第2空港ジャカルタ・ハリム空港(正式名称は、ハリム・ペルダナクスマ国際空港)から国内線で1時間。

バリ島に行く時に使うデンパサール空港からも同じくらい。1時間くらいのフライトで、ジョグジャカルタ空港に到着します。

ボロブドゥール遺跡はそこからさらに車で1時間くらい。ジョグジャカルタ空港の北西40キロほどの場所にあります。

ジョグジャカルタ空港からは、タクシーを使います。

空港にはタクシーの受付カウンターがあって、そこで料金を前払いするという明朗会計です。タクシーも管理されているので安全です。ジョグジャカルタ空港からボロブドゥールのホテルまでは250,000ルピア(2,000円くらい)です。

乗り場などの詳細はこちら↓の記事でご確認ください。

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サンライズツアーのすゝめと日の出の時刻

ボロブドゥールの遺跡はボロブドゥール寺院とその他2つの寺院だけ。時間を効率的に使いたいという方は、ボロブドゥール寺院だけ見ておけば、それほど後悔することはありません。

もちろん、レンタルした自転車やバイクで街(村)を回れば、また新しい発見があることは確かですが…。陶器づくりの村でちょっとしたふれあいがあったり、メンドゥ寺院のそばで超巨大な仏樹を発見したり…。

実際に自転車をレンタルしてボロブドゥールを散策した経験者からすると、普通の旅行者ならボロブドゥール寺院だけ見て帰ればOKじゃないかと思います。

ただし、ボロブドゥール寺院の朝日だけは、必ず見ていってください!

「マノハラホテルのサンライズツアー」これだけ参加すればOKです!サンライズツアーはボロブドゥール観光の鉄板ツアーなので、どのホテルでも案内してくれます。通常はホテルでツアーのチケットを販売していますし、早朝でもボロブドゥール寺院まで必ず送ってくれます。

※ お泊りのホテルでチケットを販売していない場合でも、当日の朝、マノハラホテルのカウンターでチケットを買うことができます。毎日開催、定員なしなので、必ず買うことができるので、焦って料金の高いツアーに申し込んだりしないようにしましょう。

マノハラホテルは、ホテルという名前ですが、2018年6月に宿泊施設を閉鎖しました。つまり泊まることはできません。早朝サンライズツアーに参加しやすいように寺院周辺のホテルに泊まることをおすすめします。こちら↓に周辺ホテルの情報をまとめてありますので、ご参考にしてください。

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サンライズツアーは4時30分開始。正確には開門ですね。ゲートが開いたら勝手に歩いてボロブドゥール寺院の最上壇東側に陣取り、日の出を待ちます。

日の出時刻の目安は以下の通りです。

1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
5:24 5:38 5:43 5:42 5:41 5:46 5:53 5:52 5:40 5:23 5:10 5:10

日本でいう冬の時期は日の出時刻が早く、夏の時期は比較的遅いです。

朝日を見終わり、あたりが明るくなったら、ボロブドゥール寺院のストゥーパや仏像、それに石壁の浮彫彫刻(レリーフ)をゆっくり見ながら、寺院を降りていきます。どれくらい興味が湧くかにもよりますが、1時間~2時間くらいかかると思います。

下に降りるとマノハラホテルのガーデンレストランで軽食とコーヒーが振る舞われます。ここで遠くに見えるボロブドゥール寺院を眺めながら、ゆっくりして観光終了。

これがボロブドゥール寺院のベストな観光方法です。

早朝ツアーの様子も記事にしていますので、気になる方はこちらも参考にしてください。➡ ボロブドゥール寺院のサンライズツアー

早朝ツアーが終わってホテルに帰ったら、ホテルでちゃんと朝食をとって、そのあとは、レンタルサイクルやバイクで周辺を観光するもよし。ジョグジャカルタに移動してマリオボロでショッピングをするもよし、プランバナン遺跡へ行くもよし。です。

ボロブドゥール遺跡の入場料

✅ 入場チケットの正規料金

ボロブドゥール寺院の正門にあるチケットセンターで買える入場チケットは以下の通りです。これまであちこちの遺跡巡りをした感覚からして、ボロブドゥールは1回券で十分です。もし、ボロブドゥール周辺のちいさな遺跡も見たいという方がいれば、5ドルプラスして共通券を買うといいでしょう。(参考:ボロブドゥールのその他の小遺跡に関する記事

  • ボロブドゥール遺跡 1回券 25USドル(15USドル)
  • ボロブドゥール遺跡 2日券 40USドル(20USドル)
  • ボロブドゥール遺跡 3日券 60USドル(30USドル)
  • ボロブドゥール遺跡 4~7日券 100USドル(50USドル)
  • ボロブドゥール遺跡&ムンドゥ寺院&パオン寺院 共通券 30USドル(20USドル)
  • ボロブドゥール遺跡&プランバナン遺跡 共通券 40USドル(25USドル)
  • ボロブドゥール遺跡&ボコの丘 共通券 40USドル(25USドル)

※  USドルからの換算レートでインドネシアルピアでも支払い可能です。参考までに、この記事の記載日のレートでは、25ドル=356,725ルピアになります。

※()内は子供料金(6歳~10歳)。6歳未満は入場無料です。

✅ マノハラホテルのサンライズツアーの料金

料金は大人475,000ルピア(3,700円くらい)、子供(6歳~10歳)250,000ルピア、6歳未満は無料です。

通常時刻の入場料が約350,000ルピア(2,700円くらい)なので、早朝割増が125,000ルピア(1,000円くらい)という計算です。

サンライズツアーの料金には、ボロブドゥール遺跡の入場料のほかに、レストランでの軽食(ケーキとコーヒー)とお土産(手ぬぐい)が含まれています。

チケットは、ボロブドゥールなら通常は泊っているホテルで購入できますが、当日(旧)マノハラホテルの建物の入り口にあるカウンターでも購入できます。チケットカウンターは午前4時にオープン、ツアーは午前4時30分開始です。

(ツアーといっても、ゲートが開いて勝手に登っていくだけですけど😅)

【ご注意】当日マノハラホテルのチケットセンターでチケットを購入する場合には、パスポートが必要ですのでお忘れなく!

ボロブドゥール遺跡の気候・服装

ボロブドゥールの気温(最高気温と最低気温)と降水量の年間推移は以下の通りです。

  1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
最高気温 28 28 29 30 30 30 29 30 30 31 30 29
最低気温 22 22 22 22 22 21 20 20 21 22 22 22
降水量(mm) 351 333 315 214 121 82 43 22 32 91 221 346

気温は年間通して同じくらいですが、11月~4月は雨期、5月~10月は乾季。ベストシーズンは乾季の5月中旬~10月中旬です。

早朝ツアーは意外とひんやりしますので、長袖は用意しておいた方がいいですね。陽が昇れば暑くなるので、中はTシャツで行きましょう!

寺院で靴を脱ぐ必要はありませんが、寺院も敷地も大きいので意外と歩きます。スニーカーで行った方が賢明です。

ボロブドゥール遺跡観光に必要な通貨

ボロブドゥールでは。USドルとインドネシアルピアが使えます。両方用意して行く必要はないと思いますので、インドネシアルピアだけ用意していけばいいですね。

USドルの方が通貨単位が大きいので、ざっくり計算になって損しがちだと思います。

繁華街に行けばATMも両替所もありますが、泊るホテルによっては少し距離があるかもしれないので、あらかじめ用意しておいた方が無難です。

1ルピア=0.008円くらい。レートがとてもわかりにくいです。

ルピアから0を3つ取って、8掛けたくらいが円レートです。

例えば10,000ルピアなら、0を3つ取った10に8を掛けて、80円くらい。そんな計算をします。

ボロブドゥール遺跡観光に便利なホテル

ボロブドゥール寺院はとても見応えのある素晴らしい遺跡ですが、ボロブドゥール遺跡の見どころはそれくらいです。

早朝ツアーに参加したいので、一泊はしたいところですが、それ以上ボロブドゥールに泊まる必要はありません。

また、早朝から観光に出かけるので、ホテルの滞在時間はあまり長くないと思いますので、それほどゴージャスなホテルに泊まらなくてもいいのではないでしょうか。

ボロブドゥール遺跡観光のホテル選びで、一番重要なのは、ロケーションです。ボロブドゥール寺院にアクセスしやすいホテルを選びましょう。

ボロブドゥール遺跡観光に便利なホテルをこちらにまとめましたので、参考にしてくださいね。

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それでは、気を付けて、世界三大仏教遺跡、世界遺産ボロブドゥール遺跡の観光を楽しんでください!