ソーシャルディスタンスって何?99%の日本人が間違った使い方をしています




新型コロナウィルス感染症対策として、最近日本のテレビでよく耳にするのが「ソーシャルディスタンス」という言葉。

どうも海外の使い方と違うような…

海外のニュースやSNSで使われている、ソーシャルディスタンシング(social distancing)が変形して、ソーシャルディスタンスになったと思われますけど…。

もくじ

日本のソーシャルディスタンスの意味

Social Distancing

ソーシャルディスタンスにわざわざ「社会的距離」なんていう日本語訳を付けている日本のニュース記事があったりして笑っちゃうわけですが…

社会的距離?

冷静に考えてください。社会的な距離?なんすかそれ(笑)

ソーシャル=社会的、ディスタンス=距離、の直訳なんでしょうけど、意味わからん訳なら付けない方がましですね。

ソーシャルディスタンシング?は、コロナウィルス感染症対策として海外でよく使われている言葉ですが、日本では、そのディスタンス?という単語から想像して、人と人の距離にフォーカスした使い方になっています。

こちらの告知でも、ソーシャルディスタンス=人との距離 のような意味合いになってますね。

ソーシャルディスタンシングなんだけどなぁ。。。

英語ではソーシャルディスタンシングが一般的!

英語のニュース記事やSNSで使われるのは、ソーシャルディスタンシング(メジャーズ)(Social Distancing Measures)です。

ここで言うDistanceは「動詞」で「距離を置く」という意味です。(末尾にingが着いているので、「名詞」の「距離」ではありません。)

Measures(策)の前に置かれるDistancingは、いわゆる現在分詞、動詞の形容詞的用法ですね。Distancing Measuresは、距離をとるという方策という感じです。

なので、Social Distancing Measures とは「社会において距離を置くという対策方法」という感じの意味合いになります。

Social Distancing と、Measuresを省略する場合でも、もとの言葉はSocial Distancing Measuresなので、「社会において距離を置く(という対策方法)」という意味で変わりありません。

英語のソーシャルディスタンシングという表現には、日本語のソーシャルディスタンスのように「物理的な距離」という意味はなく、(主に)感染症対策として人と人が近づかように(接触しないように)生活すること、そのようなに生活するための「対応策」を意味します。

例えば、

  • 学校閉鎖
  • 在宅勤務
  • 大規模イベントの中止
  • 人の混みあう場所を避ける(交通機関・飲食店・スポーツ施設など)

などなど。

こうした施策のひとつとして人と人との距離をとるというのが含まれています。

というのが実際ですが、日本のメディアが「ソーシャルディスタンス」という言葉を人と人との(一定間隔の)距離という使い方をしているので、皆さんの勘違いを止めることはできなさそうです。ちょっとした和製英語感…

そうそう、東京都知事が報道陣の前で、(おそらく)初めてソーシャルディスタンスという言葉を使った時、自ら疑問形のトーンでソーシャルディスタンス?という使い方をしていました。

知事は、英語の記事も読んでいるな、とすぐにわかりました。英語ではソーシャルディスタンシングって表現するんですけど…という雰囲気でしたから。

彼女はエジプトの大学を卒業し、アラビア語通訳でもあるみたいですね。当然英語も相当イケるはずです。

アメリカは「少なくとも」2メートル、日本は「できれば」2メートル

アメリカのCDC(Centers for Disease Control and Prevention・疫病管理予防センター)は、ソーシャルディスタンシングについて、以下のように記載しています。

What is social distancing?(ソーシャルディスタンシングとは?)

Social distancing, also called “physical distancing,” means keeping space between yourself and other people outside of your home.(ソーシャルディスタンシング(またはフィジカルディスタンシング)とは自宅外で他人との距離をキープすることを言います)

To practice social or physical distancing:(その実践は…)

  • Stay at least 6 feet (2 meters) from other people(少なくとも6フィート(2メートル)の距離を他人と開けましょう)
  • Do not gather in groups(集団行動は控えましょう)
  • Stay out of crowded places and avoid mass gatherings(人混みを避けましょう)

アメリカが正しいとは言いませんが、アメリカのCDCという公的な機関は、他人との距離を、少なくとも2メートル開けましょうと言っています。

日本はどうでしょう。。。

日本のソーシャルディスタンスの告知をもう一度見てみましょうか。

人との距離を1メートル、できれば2メートル開けましょう…

ん?

なーんか違います。

アメリカCDC:少なくとも2メートル

日本:1メートル以上、できれば2メートル

どこで歪んだんでしょうかね ^^;




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