シンガポールの街がなんだか煙い。視界が悪い。そんな時はヘイズ(Haze)が発生している可能性があります。
ヘイズ(Haze)は、シンガポールだけでなく、マレーシア、インドネシア、タイ、フィリピンなど東南アジアでは、よく耳にする言葉です。
ヘイズ(Haze)とは?
ヘイズ(Haze)は、気象用語で煙霧(目に見えない微粒子が大気中に浮遊し曇ったように見える現象)を意味する英語です。日本ではスモッグとか言われますね。
東南アジアでは、熱帯雨林の火災や泥炭火災の煙が大規模な煙霧となって周辺国にまで広がる越境大気汚染問題が1980年代から発生し、年々深刻化しています。
何が原因なの?健康被害も心配です…
ですよね。今回はそのあたりをじっくりとご説明していきたいと思います。
日本のスモッグの場合には、工業排煙が主な原因とされていて、大気中の硫黄酸化物や窒素酸化物が太陽の紫外線に反応して作り出される光化学オキシダントの大気中濃度が上がる光化学スモッグが問題となります。夏場に気象庁から光化学スモッグ注意報や警報が発表されますよね。最近では、主に秋から冬にかけて、中国大陸から飛んでくるPM2.5 (微小粒子状物質) も深刻な問題となっています。
シンガポールの場合には、周辺諸国からの煙、主にインドネシアのスマトラ島やカリマンタン島におけるプランテーションでの野焼きや森林火災などから発生する煙が、モンスーンの風に乗って飛来するといわれています。
なんだ野焼きの煙か…。シンガポールで働くマレーシア人からの説明で、自分もはじめはそう思いました。
ところが、よくよく調べてみると、この野焼きというのが、のどかな田舎で行われている焼き畑農業とはちょっと違って、パームヤシ農園や製紙用パルプ材の植林地などで行われている人工的な森林火災が原因らしい。
当初は、いや今でも主な原因は、インドネシアにあるといわれていますが、実はマレーシアのパームヤシ農園でも大規模な人工森林火災が起こっており、これが東南アジア全体でのヘイズとなっています。
以前はマレーシアはインドネシアの煙害の被害者のような顔をしていましたが、加害者のひとりであるという可能性が強くなってきいます。これはマレーシア人の友人も実は認識していました。自国の企業のお金欲しさの身勝手な行動で、周辺諸国に迷惑をかけているため、ちょっと困惑した表情を浮かべていましたが…。
ヘイズの発生時期
東南アジアのヘイズは、インドネシアにせよ、マレーシアにせよ、周辺諸国の人工森林火災(野焼き)が原因であるため、野焼きに適した時期に発生します。
それは、この辺りが乾季に入る9月中旬以降です。
乾季に入ると空気が乾燥して、草木が燃えやすくなるからですね。
ヘイズの被害
目、鼻、喉などの粘膜や、皮膚のかゆみなどのアレルギー反応から、肺などの呼吸器系や循環器系への健康被害など、さまざまな健康被害がが報告されています。
ヘイズの時期になると、日本大使館から、ぜんそくや心臓疾患がある旅行者への注意が喚起されます。
ヘイズの危険数値を知る方法
シンガポール政府ではヘイズ濃度を24時間体制で公表しています。
国家環境局( National Environment Agency)の公式HP
こちらのHPで、大気汚染指数であるPSI(Pollutant Standards Index)と大気中のPM2.5の数値が公表されています。
こんな感じでその時のヘイズ指数と天気予報がサクッとチェックできます。
このホームページでも記載されていますが、PSI値の影響の目安は以下といています。
PSI指数 | 影響 |
0 – 50 | Good(良い) |
51 – 100 | Moderate(並) |
101 – 200 | Unhealthy(健康に良くない) |
201 – 300 | Very Unhealthy(極めて健康に良くない) |
301 – 500 | Hazardous(危険) |
現地に住んでいる感覚では、51~100のレンジが広いかな。
指数が70を超えてくると視覚的にヘイズを認識できるようになるので、ちょっと注意したいかなという気分になります。
自分は、Air Quality (エアクオリティ)というアプリを使ってなんとなくチェックしてます。