『現金及び現金同等物』って英語でなんて言う?

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現金及び現金同等物とは

日本では「現金及び現金同等物」という科目は、キャッシュ・フロー計算書でキャッシュを表すものとして使われます。

現金同等物とは、現金や普通預金以外で現金と同等に扱われるべき投資等のことで、(1)流通性の高さから取引市場において容易に換金可能であること(2)価値の変動が起こりにくいこと(3)投資期間が短期間であること、といった要件を満たすものを言います。具体的には、取得日から償還日までが3か月以内の定期預金、譲渡性預金、CPなどが、現金同等物に該当します。

日本基準の貸借対照表(B/S)では「現金及び預金」が使われ、この「現金及び現金同等物」という科目は使われません。

一方、IFRSの貸借対照表では「現金及び現金同等物」が使われます。

さらっと書きましたが、これが意外と難しいことを引き起こします(笑)

日本のB/Sの「現金及び預金」は1年基準、1年以内の定期預金、例えば9か月の定期預金は「現金及び預金」になります。が、CF計算書の「現金及び現金同等物」には含まれません。この差があるので、「現金同等物」の定義とB/S科目が注記で示されることになっています。

一方で、IFRSのB/Sの「現金及び現金同等物」。特に定義はされていませんが、CF計算書の「現金及び現金同等物」と同じ科目名を使っているので、通常一致させます。CF計算書の「現金及び現金同等物」は、Cash(手元現金、普通・当座預金等)のほか、Cash Equivalents(要因い換金可能で、満期が近く(3か月以内)、時価の変動リスクが少ない投資等)が含まれます。

この結果、日本基準のB/Sの「現金及び預金」とIFRS基準のB/Sの「現金及び現金同等物」の範囲に違いが生じることがあります。

現金預金が調整されるなんて…ちょっとびっくりすることがあるので、記憶の片隅のおいておくといつか役立つかも、です。

現金及び現金同等物は英語で何て言う?

現金はCashで、現金同等物がCash equivalentsなので、現金及び現金同等物は、

Cash and Cash Equivalents

です。

IFRSベースでは、B/Sも、CF計算書も、Cash and Cash Equivalentsで大丈夫です。

日本基準のB/S科目は「現金及び預金」なので、こちらは英語で、

Cash and Deposits 

と言います。

範囲とか言い回しが微妙に違うので、混乱している人が結構いたりします。

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