世界中が注目!シンガポールはコロナにどう対処してきたのか?

シンガポールのコロナ対策はフェーズ3へ突入し、ここ最近シンガポール国内での新規感染はゼロ。感染が報告されているのは空港等での帰国者のPCR検査によるものに限られています。コロナのウィルスの封じ込みは成功していると言っていいでしょう。

2021年3月からはワクチン接種も開始され、開始月の3月だけで100万人近くの接種が見込まれています。

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シンガポールにはいつ行けるか?

気になるシンガポールにいつから自由に行けるようになるか?ですが、シンガポールのリー・シェンロン首相によると、反ワクチンの国民の説得に時間を要する可能性を示唆しつつも、2021年度中にすべてのシンガポール在住者のワクチン接種を完了し、他国からのシンガポールへの自由な往来が再開できるのではないかという見通しを示しています。

シンガポールのコロナ対策の変遷

国内でのコロナ封じ込みに成功したように見えるシンガポールのコロナ対策ですが、効果は一進一退、紆余曲折を経て今に至っています。

パンデミック直後の迅速な入国制限

2020年2月にコロナウィルスパンデミックのニュースが世界を震撼させ、まだ多くの国がその対応策に手探りの状況の中、2020年3月15日、シンガポールは他国に先立ち外国人の入国制限を開始しました。

サーキットブレーカーの断行

その後、2020年4月7日から6月1日まで、サーキットブレーカーという、他国でいうロックダウン政策を実行。Essential Service Provider(必要不可欠な業務への従事者)以外は、外出を厳しく制限しました。これにより、一旦はコロナウィルスを封じ込んだように思われました。

この頃、アプリの利用や厳しい行動制限を伴うシンガポールのコロナ政策は、そのトップダウンの意思決定と迅速な対応が世界中から注目され、日本のメディアも成功例として報道してましたよね。

コロナ回復政策 フェーズ1

6月1日にサーキットブレーカー(ロックダウン)を終えたあと、政府は経済活動の再開へ向けた政策を3つのフェーズに分けて計画的に実行していきました。

まずは6月2日から、回復フェーズ1と称した経済回復へ向けた取り組みを開始しました。これにより多くの業種で営業再開が認められましたが、企業にはSafeEntry(入場者管理のためのアプリおよび対応機器)の導入が義務づけられ、特定業種を除き店舗での販売は禁止されるなど、依然として厳しい制限のもとコロナに対応した体制の構築期間という位置づけでした。

ドミトリークラスターの発生

しかし、迅速かつ厳格なコロナ対策によって一旦は封じ込めに成功したかにみえたシンガポールですが、7月にブルーカラー層のドミトリーでクラスター(大規模な集団感染)が発生し、再び混乱に陥りました。

粗悪な住環境で過酷な肉体労働を続ける外国人出稼ぎ労働者。シンガポールの闇なんて言われることもありましたが、このあたり、日本のメディアは急にだんまりだったようですね。

シンガポールのコロナ対応はすばらしい、日本も見習うべきだ!なーんて言っちゃったもんだから、実はそうでもなかったなんて報じられなかったんです。

話しは逸れましたが…

アプリの利用促進・監視機能の強化

外国人労働者のクラスター発生という不測の事態はありましたが、政府はSafe EntryやTrace Togetherなどのアプリの利用を促進し、セーフ・ディスタンシング・アンバサダーによる市内巡回を強化するなど、コロナ対策の更に強化していきました。その結果、ブルーカラー層のドミトリークラスターに端を発した第2波は徐々に収束しました。

コロナ回復政策 フェーズ2

そして、9月回復政策はフェーズ2へ移行しました。

フェーズ2では、飲食店での店内飲食、小売店の店頭販売、ジム、学習塾など、フェーズ1よりも多くの業種に営業再開が認められました。

ただし、人の集まりは5人以下に制限されるなど、まだまだ通常の行動に厳しい制限がありました。

この頃、シンガポールの日本人在住者が自宅のコンドミニアムで5人以上のバーベキューパーティーを開いた、などといった理由でシンガポールの強制退去させられた、なんてニュースが飛び込んで来たりしました。市内では、セーフ・ディスタンシング・アンバサダーによるマスク着用違反の摘発が相次ぎ、新しい生活様式に慣れつつも、息苦しい生活はまだまだ続いていた、そんな状況でした。

感染者数の低位安定

このような政府の監視と厳しい罰則(マスク未着の外出で300シンガポールの罰金など)、改めてシンガポールの行動監視体制の厳しさを感じつつも、人々の行動様式の変化もあって、コロナの感染者数は激減していきました。

コロナ回復政策 フェーズ3

そして2020年12月28日、シンガポールのコロナ対策はついにフェーズ3へ移行しました。これまで5人までに制限されていた会食などのグループ活動が8人までに緩和され、宗教などの集会も1グループ50人、最大250人まで許可され、少しずつ日常の生活をとし戻しています。

フェーズ3はコロナウイルスに効果的な治療法の確立やワクチン接種が進むまで続くとされています。そして、フェーズ3を終えた後は自由な経済活動が再開される、そう期待されています。

現在はシンガポール国内でのコロナ感染者はとても低い水準で推移しています。毎日感染者が報告されていますが、それらは海外からの帰国者で、空港や隔離期間中の滞在先での検査で確認されたものだけ、となっています。

日本とシンガポールの渡航規制

ちなみに、日本との往来は、2020年秋頃からGreen Lane Travel(いわゆるビジネストラック)によってかなり緩和されたんですが、その後年末にかけて日本での感染者数の急増し見直されました。

2021年2月からは、いずれのシンガポール入国者も、入国後の2週間の隔離生活が要請されています。期間は3ヶ月とされているので、2021年5月にはGreen Lane(ビジネストラック)を利用してビジネスでの往来は可能になります。

ビジネストラックでは、2週間の隔離は要らなくなりますが、PCR検査は要請されますし、なにより事前に提出した旅程通りに行動することが監視されているので、面白くないですけどね(笑)

ニューヒーロー The Soaper 5!

最後にシンガポールのコロナ対策のニューヒーロー「ザ・ソーパーファイブ」をご紹介しましょう。

シンガポールは確かに厳しい監視と罰金・罰則で、市民生活をコントロールしています。世界中から人と金を集めて経済活動の拠点としてもらうために安全できれいな国でなければならない。一方で、世界中からいろいろな文化背景をもった人々が働き生活しているので、これらの人々をきちんと統制しなければならない。シンガポールが厳しい統制を敷く理由はここにあるんですね。

ただ、現在のシンガポールのコントロール体制は、以前のようなただ不気味な感じがするものとは違ってきていますね。国民の愛国心を醸造し、理解を求め、すすんで協力することを促す(でも、守らなければ罰金だよ)。シンガポール政府が国民に何か負担を求める時、そういった姿勢が鮮明になってきているように感じます。結果として罰則が厳しい→厳しい罰則を恐れて従う、という流れになるのには変わりはないのですが(^^;)

例えば、今回のコロナ対応でも、こんなキャラクターを作って、まず国民の行動様式の変化を促しています。

Together we keep Singapore strong!(一緒にシンガポールを強くしよう!)って書いてありますよね。

要は手洗いの敢行やマスク着用などを国民に求める啓蒙告知なんですが、強いシンガポールを保っていくために一緒にがんばって行きましょう、という言い方をしていことや、大人だけでなく子どもにも伝わるようキャラクターを利用しているところが、シンガポールって結構変わったなぁと思わされたりします。

政府のお偉いさんがマイクの前でしゃべるスタイルよりも伝わります。伝えようという姿勢が以前と全く違います。

以前の規制は、極端な話しでいえば、政府からアナウンス→規制&罰則の告知→監視→逮捕・罰金→ニュースになる→国民ビビる→従うって感じだったので(笑)

このニューヒーローThe Soaper5ですが、アニメ化されてYouTubeでも流されています。

基本的には子ども向けなので、わかりやすい英語ですし(基本的に字幕もついています)、ストーリーは流れでわかるので、一度見てみてください。

一生懸命さは伝わりつつ、アニメはシンガポールっぽい。ストーリーも突っ込みどころがあります。そして、日本のアニメってやっぱすごいんだなぁという感じで、ちょっと優越感に浸れます(笑)

The Soarper5はシンガポールのこどもに人気のThe Kindness Cubbiesにも登場しています(👇)。こちらも英語字幕付きです。

このキャラクターが、学校を中心にあちこちでマスク着用や手洗いの敢行、アルコール消毒などを啓蒙しています。教育を使っているところがちょっと怖い感もありますが…

シンガポール国民は、すでにコロナ後の新しい生活様式(海外ではNew Normal(ニューノーマル)と言います)への覚悟が出来ている。これが、シンガポールのコロナ対策の一番すごいところかもしれません。